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【新宿から高尾山のアクセス情報付き】高尾山の楽しみ方完全ガイド

【新宿から高尾山のアクセス情報付き】高尾山の楽しみ方完全ガイド

更新日: 2020/06/22

東京・新宿から京王線でわずか1時間弱でアクセスでき、気軽にハイキングが楽しめるということで人気の観光地・高尾山。2007年には富士山と並びミシュラン三ツ星を取得。2020年6月19日には、東京都では唯一かつ初となる「日本遺産」に認定されました(※)。トリップアドバイザーなどでも好評価を続け、訪れる外国人観光客も増えてきています。

(※)「日本遺産」は、地域の歴史的な魅力や特色を紡いだ「ストーリー」を文化庁が認定する制度。八王子市が申請した「霊気満山 高尾山〜人々の祈りが紡ぐ桑都(そうと)物語〜」が2020年6月19日に都内で初めて認定されました

今回は、高尾山でケーブルカー・リフトの運行や飲食店等を営む高尾登山電鉄で駅長として活躍する町田さんに高尾山観光で外せないスポットを教えていただきます。高尾山を知り尽くす町田駅長が訪日外国人におすすめするスポットはどのような場所でしょうか?さっそく見ていきましょう。

高尾山観光のスタートは、京王線「高尾山口駅」から

日本の有名な建築家・隈研吾氏がデザインした高尾山口駅も見所のひとつ
日本の有名な建築家・隈研吾氏がデザインした高尾山口駅も見所のひとつ

標高599メートルの高尾山。最寄駅は、京王線高尾山口駅になります。新宿から直通・特急(追加料金不要)で約50分の距離というのも、高尾山の魅力の一つ。いくつものハイキングコースがあり「そうだ、高尾山を歩こう」と気軽に訪れることができます。

様々な方法でハイキングを楽しむことができるのも、高尾山の魅力のひとつ。自然研究路の1〜6号路や稲荷山を回るコースなど、複数のコースが用意されているほか、中腹まではケーブルカーやリフトで楽に登ることもできるので、登山経験の有無やその時の体調、天候などに合わせて、誰もがハイキングを楽しむことができるのです。

高尾山を実際に歩きながら、町田駅長おすすめの高尾山周辺スポットを巡っていきます。

高尾山のふもとにある高尾山ケーブルカーの清滝駅。今日はここからケーブルカーで中腹まで登ります。

今日乗るケーブルカーは「あおば号」。もう一台は「もみじ号」といい、一本のロープで2台は繋がっています。日本のケーブルカーは全て、同じ仕組みの交走式(つるべ式)となっており、真ん中で2台はすれ違います。また、高尾山のケーブルカーの特徴は勾配。清滝駅で6度(105‰)となだらかな傾斜も高尾山駅手前の急勾配は31度18分(608‰)。これが日本一の急勾配で、車内では何かにつかまっていないと倒れそうになります。この急勾配も絶景ポイントです。

【おすすめ①】「さる園」で餌やり体験

【おすすめ①】「さる園」で餌やり体験

高尾山の中腹にある高尾山ケーブルカーの高尾山駅から登山道1号路を通って徒歩3分の距離にある「高尾山さる園・野草園」。ここには約70頭のニホンザルたちが、五代目ボスザルのネッシンを中心に、自然のままにのびのびと暮らしています。サル園の屋上に出ると、100円でサルの餌を販売しているので、サルに餌やりをしてみましょう。サルへの愛情あふれる飼育員さんたちが話してくれる、サルの生態や生活についてのお話もぜひ聞いてみてください。

・町田駅長による見どころ解説!
「さる園のサルたちを見て、サル社会と人間社会の違いを考えてみるのも面白いですよ。サルたちは基本的に母系社会なので、女性が強いんです。一頭のオスだけがボス猿になれるのですが、ボス猿は群れのサルたちのリーダーとして、弱いサルや子どもたちを守ってあげたりして、みんなから尊敬される存在なんです。年老いたサルや子猿たち、みんながきちんと暮らせるようにいつもボスが目を配っていて、揉め事が起こったら仲裁に駆けつけたりね。尊敬されなくなったボスは、ボスの座から追い落とされるそうですよ。さる園の飼育員はサル一匹一匹の顔と名前、性格なんかを覚えているので、いろいろとお話をきいてみるのも楽しいですよ」

【おすすめ②】天狗様の待つ「髙尾山薬王院」で護摩行と精進料理を体験

さる園を楽しんだ後は、登山道1号路を道なりに「髙尾山薬王院」へ向かいます。

途中の道筋にある、たこの足のような形をした「たこ杉」。樹齢450年以上、高さ37メートルの老大木です。

この「髙尾山薬王院」は西暦744年に聖武天皇によって東国鎮守の祈願寺として、高僧行基菩薩により開山され、今では真言宗智山派の大本山で、高尾山修験道のお山として知られています。「飯縄大権現(いづなだいごんげん)」を奉祀し、中興されました。

高尾山さる園・野草園」から歩いて最初に目にするこの「浄心門」をくぐると、そこからは殺生禁断エリア。もし、あなたの腕に蚊が止まったとしても、決して殺さず、そっと逃がしてあげましょう。さらに進んで山門(「仁王門」)をくぐると、飯縄大権現様の眷属(けんぞく)である「鼻高天狗(大天狗)」と「烏天狗(小天狗)」の像が待ち受けています。
※眷属:従者

右にいるのが鼻の高い大天狗、左にいるのが烏のようなくちばしを持つ烏天狗(小天狗)です。

仁王門の先には御本堂があり、ここでは1日に5回「御護摩祈祷」が行われており、お護摩受付所で申し込みをすれば誰でも参加することができます。僧侶職衆の読経と法螺貝の音を聞き、お護摩の火を見つめて御護摩札を授与していただくことで、大願成就もありえるかも…。

タイミングが合えば、この御護摩祈祷に向かう僧侶たちの列と出会うこともできます。法螺貝を吹き鳴らし歩く山伏たちの姿は、修験道のお山でしか見ることができないもの。

御本堂の奥に立つ書院は、洋風建築のエッセンスを感じさせる、独自の作りが印象的。法輪をかたどった法輪窓は、ここにしかないものだそう。述べ8000人の大工さんが建築に関わったというこの書院は、一見の価値のある素晴らしい建築物です。個人客の見学は受け付けていないそうですが、団体であれば見学も可能とのこと。

また、大本坊では、動物性の素材を使わず山で採れた野草などを主とする精進料理をいただくことができます。

もみじ膳(税込2800円)。雑穀ご飯やきのこ汁、海藻サラダはお代わり自由なのもうれしい。
もみじ膳(税込2800円)。雑穀ご飯やきのこ汁、海藻サラダはお代わり自由なのもうれしい。

毎年秋頃に供されているこの「もみじ膳」は、これが精進料理と知らなければ、豚の角煮、レバ刺し、うなぎ蒲焼、牛しぐれ煮が入っていると勘違いしてしまうような料理のほか、揚げ物、湯豆腐、雑穀ご飯、きのこ汁などが盛られた豪華な御膳。登山で体力を使った人たちのためにと、濃いめの味付けとしっかりしたボリュームとなっているので、男性でも十分に満足することができます。
(平日は予約なしで季節限定の御膳をいただける場合もありますが、基本的には予約が必要となります)

・町田駅長による見どころ解説!
「薬王院は広いため、見どころがたくさんあります。八十八体の大師像が並ぶ大師堂にお参りすれば、四国八十八カ所の霊場を回ったのと同じご利益があるそうですよ。また、お釈迦さまの真身骨が奉安された仏舎利塔付近は紅葉の穴場。人が少ないため、ゆっくりと自然の空気を味わうことができます」

仏舎利塔の手前には飯縄大権現様と大天狗、烏天狗の姿も。

飯縄大権現様の姿が紅葉に映える、清冽な空間

【おすすめ③】高尾山の山頂は絶対外せない!ツウだけが知る?人の少ない富士道を通ると便利

【おすすめ③】高尾山の山頂は絶対外せない!ツウだけが知る?人の少ない富士道を通ると便利

御護摩祈祷で煩悩を焼き清め、精進料理でお腹を満たした後は、いよいよ高尾山山頂を目指します。
薬王院から山頂までのアプローチはいくつかありますが、写真のように比較的登山者が少なく、歩きやすいルートもあるようです。

標高599メートルの高尾山山頂。この日はあいにくの曇り模様でしたが、晴れた日には富士山や丹沢山系を見渡すことができます。紅葉シーズンということもあり、平日にもかかわらず多くの人で賑わっていました。

山頂にある「高尾山ビジターセンター」は高尾山の歴史や自然について学んだり、登山道情報を知ることができる施設です。自然体験プログラムやガイドウォークなども行われているので、高尾山について詳しく知りたい人はぜひ訪れてみると良いでしょう。外国語を話せるスタッフもいるので、外国人観光客の方にも心強い施設です。

・町田駅長による見どころ解説!
「本格的な登山を楽しみたい場合は稲荷山登山コースもいいですよ。尾根伝いに歩くコースは登りごたえもあり、途中の稲荷山展望台から見る景観も素晴らしい。そして最後の200段の階段の鬼のようなキツさ(笑)。登山の醍醐味を味わえるはずです」

【おすすめ④】高尾山に来たら食べるべき!売店のおすすめお手軽グルメ

気軽に登山を楽しめる人気の観光地・高尾山。人を多く惹きつけるこの山には、美味しいグルメもいっぱいです。下山する前に、ぜひこれだけは食べてみてください!

天狗のながーい鼻をパクリ!30センチのソーセージが入った「天狗ドック」

天狗のながーい鼻をパクリ!30センチのソーセージが入った「天狗ドック」

高尾山に来たらまず食べて欲しいのは、「高尾山絶景カフェ」で販売している長さ30センチのソーセージの入った「天狗ドック」(税込540円)です。両端がバンズから多くはみ出したこのソーセージは粗挽きでプリプリ、パリパリ。お肉のうまみをたっぷり感じられる一品。多い時には1日1000個も売れるという、大人気商品です。

炭火の効果で外はパリっと中はモチっと、くるみ味噌がたまらない「三福だんご」

炭火の効果で外はパリっと中はモチっと、くるみ味噌がたまらない「三福だんご」

“大福”“幸福”“裕福”の三福をもたらすとされる高尾山名物のお団子、「三福だんご(みつふくだんご)」(税込350円)。ケーブルカー「高尾山駅」から降りてすぐのところにある売店「高尾山スミカ」の蕎麦処で販売されています。炭火でじっくりと焼かれたモチモチのおだんごに特製くるみ味噌をつけていただきます。

持ち帰り用のお土産としても大人気!濃厚サクサクな「高尾山チーズタルト」

持ち帰り用のお土産としても大人気!濃厚サクサクな「高尾山チーズタルト」

北海道産・フランス産・デンマーク産の3種のチーズがブレンドされた濃厚なチーズがサクサクのタルト生地の上にたっぷり入った「高尾山チーズタルト」(税込250円)。このタルトも「高尾山スミカ」の天狗屋で販売されています。和のお菓子が多い高尾山の中で異彩を放つこのタルト、店頭で焼きたてを食べるのも美味しいですが、お土産に持ち帰って冷やして食べるのもおすすめです。

町田駅長による見どころ解説!
高尾山で一番人気、シーズンは行列覚悟の高尾山スミカの天狗焼もおすすめです。烏天狗をかたどった天狗焼の中には、大粒の黒豆餡がたっぷり。この黒豆餡は甘いものが苦手という人や、小豆、あんこが苦手という人でも気に入ってくれることが多いようですよ」

【おすすめ⑤】下山しても楽しめる!「高尾599ミュージアム」で高尾山の魅力をシェア

さて、高尾山を下山してきました。高尾山口駅付近には、まだまだおすすめスポットがいっぱい。そのひとつが「高尾599ミュージアム」です。

この「高尾599ミュージアム」では、高尾山の豊かな生態系を立体展示やプロジェクションマッピングでリアルに見ることができます。楽しみながら、高尾山の魅力を知ることができる体感型ミュージアムと言えるでしょう。ゆったりくつろげるカフェや中に入って休憩できる芝生広場や、子どもたちが水遊びできるじゃぶじゃぶ池などもある、多くの方が安心して楽しめる施設となっています。入場料も無料なので、高尾山に登る前、登った後に気軽に立ち寄ってみましょう。

町田駅長による見どころ解説!
「ミュージアムの奥にあるNATURE WALLには、高尾山の象徴であるブナの周辺に高尾山のムササビやニホンザル、イノシシなどの剥製が飾られています。その壁に映し出される高尾山四季の移り変わりを描いたプロジェクションマッピングは一見の価値あり!英語のアナウンスもあるので、外国人の方にもぜひ立ち寄っていただきたいですね」

【おすすめ⑥】面白い記念写真を撮りたいならぜひここに!「高尾山トリックアート美術館」

【おすすめ⑥】面白い記念写真を撮りたいならぜひここに!「高尾山トリックアート美術館」

もう一つ、高尾山の付近に来たらぜひ訪ねて欲しいのが、「高尾山トリックアート美術館」です。ここは国内最大級のトリックアート美術館で、ルネッサンス期に確立された「騙し絵」を再現したトリックアートが揃っています。空中神殿を浮遊したり、天狗さまの魔力で大きくなったり小さくなったり、自分も作品の中に入り込んで、トリックアートの世界を体験することができます。ちょっと不思議なトリックアートの世界、是非味わってみてください。

<町田課長のおすすめポイント>
1996年にできたこの美術館には、目の錯覚を利用した「騙される快感」を楽しめるアートが揃っています。約1時間くらいで館内を回ることができるので、下山後の疲れた体でも気軽に立ち寄ることができますよ。カメラでの撮影も可能なので、面白い記念写真が撮れるはずです。

【おすすめ⑥】山登りで疲れた体を癒す、下界の極楽「京王高尾山温泉 極楽湯」

【おすすめ⑥】山登りで疲れた体を癒す、下界の極楽「京王高尾山温泉 極楽湯」

登山で疲れた体を癒すために最後に立ち寄りたいのが、「京王高尾山温泉 極楽湯」です。京王線高尾山口駅に隣接した、こちらの「極楽湯」では、美肌の湯とも言われる天然温泉を楽しめる露天岩風呂や炭酸温泉、サウナなどを楽しむことができます。

施設内のお食事処では高尾山名物のとろろを使った「高尾山御膳」や「汁とろろそば」などをいただくことができます。他にも、逸品料理からおつまみ、定食からラーメンまで、メニューも豊富。ビールやサワー、日本酒などのお酒、甘味やキッズメニューもあります。メニューのほとんどには写真が掲載されており、英語メニューもあるので、外国人の方にも気軽に楽しんでいただけます。

「ほぐし処」では20分から80分までのボディケアや足裏フットケア、ふくらはぎケアなどのマッサージを受けることができます。

「うたた寝処」では、食事後、マッサージ後に畳の上で自由に休憩ができます。横になったりゴロゴロしたり、文字通りうたた寝してもよし。畳の上でゴロゴロできるということで、外国人の方にも人気だそう。

館内には、次の京王線の出発時間を示す電光掲示板が。ついついゆっくりして電車に乗り遅れることのないようにという、うれしいサービスです。

町田駅長による見どころ解説!
「朝8時から夜23時まで営業しているので、ゆっくりと体を癒すことができます。温泉上がりに高尾山名物の冷奴や厚切り牛タンなどを食べながら冷たいビールを飲みながら過ごすのもいいですよ」

さて、今日は一日、高尾山のおすすめスポットを巡ってきました。自然あり、温泉あり、グルメあり…と、訪日外国人が楽しめる魅力に溢れています。一日中楽しめる高尾山。ぜひ、行ってみてください。

Written by:

松村知恵美

松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

Photos by:

石川ヨシカズ

石川ヨシカズ

1981年神奈川県横須賀市生まれ。フリーカメラマンとして、広告雑誌等で人物写真を中心に活動中。

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