歴史あふれる「目黒雅叙園」
目黒雅叙園の名前の由来は、“教養人・趣味人が一日いても飽きない場所”という意味の中国の言葉。その名の通り、建築物の至る所に細かな装飾が施されており、見て歩くだけでも楽しめるスポット。
回廊の彩色木彫板
エントランスから中へ進むと、第一の見どころである、回廊が現れる。壁を彩るのは、昭和6年開業の目黒雅叙園に飾られていた彩色木彫板。彩色木彫板とは、彫刻した木の上に色が塗られたもので、近づいて見ると、立体になっているのがよくわかる。100メートルはあるであろう回廊を、色鮮やかな彩色木彫板が埋め尽くしている様子は圧巻。また、天井も忘れずに見てみよう。きらびやかな美人画が描かれている。
招きの大門
回廊を進むと、神秘的なムードが漂う「招きの門」が現れる。こちらの門も、旧・目黒雅叙園の玄関を移築したもの。瓦屋根の上には、結び目をかたどった飾りがあり、これは恋愛成就を意味している。門の裏側や天井にも、細やかな装飾が施されている。ぜひ注目を。
橋を渡るとそこは…?
こちらは「招きの大門」の先にある休憩所 ではなく、なんと男子トイレ! 旧目黒雅叙園の名所だった化粧室を再現し、室内に橋がかかるなど豪華な造りになっている。個室も引きこもりたくほど素敵で居心地がいい。
都心に滝!? 裏側をお散歩
「招きの大門」を抜け、レストラン入り口の脇から中庭へに出ると、大きく響き渡る滝の音が。都心にいるのが信じられないほど豪快な滝が流れている。滝の裏側にもプチお散歩コースがあるから、ぜひ歩いてみよう。
艶やかな回転テーブル
ここは、目黒雅叙園内にある中国料理「旬遊紀」の特別個室、玉城。壁一面に描かれ華やかな美人画が目を引くが、円卓に注目!上の丸いテーブルが回転する、中華料理でよく見かける回転テーブル。この回転テーブルの第一号を修復したものがコチラ。テーブルの表面は、輝く金箔や鮮やかな朱、豪華な細工が施されており、まるで美術品のようだが、実際に食事で利用できる。
息を飲む「百段階段」
展示イベントや見学ツアーで入場できる東京都指定有形文化財の「百段階段」。下から最上階を覗いてみると、緩やかなカーブを描いているのが分かる。これは、当時宴会が行われる場所だったこともあり、お酒に酔ったお客さんでも階段を降りる時に怖くないよう、工夫されたとも言われている。百段階段は7つの間が連なっている。開業当時は、頂上の間を除く部屋で宴会が行われていたとのこと。板倉星光や橋本静水など、すべての間に日本が誇る著名な画家達による作品が描かれている。
この百段階段、上から下まですべてが見どころ!とも言える豪華さ。すべてを紹介しきれないが、注目ポイントをピックアップ!まずは百段階段の先、「草丘の間」の窓と手すり。
百段階段の頂上ですが、段数は99。一段足りないのには諸説ありますが、これは満月が満ちる一歩手前であったり、これからも向上していこうという姿勢などを表しているそう。
百段階段7つの間の中でも、その豪華さと凝りに凝った装飾が目を引く「漁樵の間」。一本の木を立体的な彫刻で装飾した柱など、技術の高さには驚くばかり。
重厚な渋さと同時に華やかさも感じる「十畝の間」。日本画家の荒木十畝による四季の花鳥画が描かれている。実際、見て回っていると、いくら時間があっても足りないともどかしくなるほど。ちなみに、ここで紹介した以外にも、目黒雅叙園には気軽なプライスで楽しめるランチや、オリジナルスイーツが買えるホテルショップ「メゾン・ジェ・トウキョウ」など魅力がいっぱい。東京へ来るたび、何度でも訪れたくなる場所だ。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。