HOME 日本人が意外と知らない宇治茶のあれこれ。「日本茶のふるさと」が教えてくれるおいしい話
日本人が意外と知らない宇治茶のあれこれ。「日本茶のふるさと」が教えてくれるおいしい話

日本人が意外と知らない宇治茶のあれこれ。「日本茶のふるさと」が教えてくれるおいしい話

公開日: 2017/06/09

「日本茶」と一言で言っても、種類があります。
スイーツやお土産としても人気の「抹茶」。日常でも広く飲まれている「煎茶」、高級茶とも言われる「玉露」。

これらの日本茶を生み出した京都・山城。そこで製造されるお茶は「宇治茶」と呼ばれ、昔から親しまれています。

2017年4月からの1年間、宇治茶のふるさと京都府南部の12市町村を舞台に、お茶にまつわるさまざまなイベントを展開されます。5月15日には東京・丸の内ハウスで「お茶の京都博(※1)」の出張イベントがあったので参加してきました。

お茶に愛された土地「宇治」

お茶に愛された土地「宇治」

宇治茶をはじめとする「日本茶」には主に3つの種類があります。

抹茶:直射日光を避けて育てた新芽を蒸気で蒸し、揉まずに乾燥させ粉末にしたもの。
煎茶:覆いをしないで育てた新芽を蒸して、揉みながら乾燥させたもの。
玉露:新芽に20日以上覆いをして育てます。その新芽を蒸して揉みながら乾燥させたもの。

宇治はこれらのお茶が生まれた土地です。中国から伝わったお茶の製法をもとに宇治地方で生み出されました。その歴史は古く、宇治茶には約800年の歴史があります。その歴史の中で織田信長・豊臣秀吉・徳川家康などの天下人から庇護を受け、ブランドを確立しました。

京都府南部の山城地域は、お茶が栄えるために好条件の土地でした。山の傾斜、水はけの良さ、朝は寒くて昼は暑い気候、古くから貴族の声に応えようとする風土や都との水運などがそろっていたのです。

この地域にある和束町では山の傾斜地をそのまま切り拓いて茶畑にしたり、木津川に隣接する砂地では「浜茶」と呼ばれる特有の景観が見られたりします。お茶の京都博の期間中には茶畑の景観を楽しむことやイベント開催もあるので、現地まで足を運んでみてもいいですね。

お家元に学ぶ、宇治茶の楽しみ方

お家元に学ぶ、宇治茶の楽しみ方

この日イベントでは、煎茶道二條流の家元・二條さんが玉露を淹れながら解説をしてくれました。(お点前は家元の奥様です)

「お茶をおいしく飲むには少し時間がかかります。今回は玉露を入れるので、3~4分ほどですね。沸かしたお湯をおよそ60℃になるまで待つからです」(二條さん)

熱過ぎるお湯で入れた玉露は、お茶が出すぎて風味が十分に楽しめないとのことです。「茶かぶき」と呼ばれるお茶利きのときには熱湯でお茶を入れるルールがあるので、風味が感じられないお茶で玉露を判断するのだそう。

「ささっと手早く淹れると美しく見えるかもしれません。でもおいしいお茶を飲むには手間もかかるし決まった手順もあります。お茶の葉、お水、抽出する時間、そしてタイミング。おいしいお茶にはこれらがすべて必要なのです」(二條さん)

「お茶は2煎3煎と同じお茶の葉をそのまま使いますが、決してケチをしているわけではありませんよ。ぜひ最初に飲んだものとの違いを感じてもらえたら。お茶は一気に飲まずに少しずつ、舌の上に乗せてゆっくりと転がすことでお茶の味が楽しめます。」(二條さん)

玉露の特徴は甘みです。イベント中には「お茶が甘い、ワインみたい」と驚きの声が上がりました。

日本茶を知るために、さあ宇治へ。

宇治茶は『日本遺産』の第一号として登録されています。世界文化遺産登録への取組も進めています。

特に宇治茶のふるさと、京都府南部山城地域では年間を通して、お祭り・お茶会・博覧会などのイベントが多数開かれています。何世紀にもわたって作られてきた日本茶の文化と歴史を感じられる貴重な機会もたくさんあります。

宇治茶をもっと知りたい方は、イベントも多いこの機会に京都に足を運んでみると新しい情報や忘れていたやまとごころに出会えるかもしれません。

※1:「お茶の京都博」とは

※1:「お茶の京都博」とは

2017年4月~2018年3月の約1年間は"お茶のスペシャル・イヤー"。
京都府南部、宇治茶のふるさと12市町村を舞台に、お茶にまつわるさまざまなイベントを展開します。

現地に赴き、歩いて、見て、味わって。
茶摘み、茶揉み体験、各種ツアーなどの参加型プログラムや、黄金茶室、レストランバスなども登場します。

新しい宇治茶の魅力を発見しに、ぜひお出かけください。

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

この記事をシェアする

 
検索