着物のすべて

着物のすべて

Update: 2017/03/13

着物は美しく、そして最も日本らしさを感じさせる伝統服として知られている。しかし、着物とは直訳すると「着る物」という意味。つまり一種類ではなく、さまざまな衣服の総称だ。夏祭りに着るカジュアルで軽やかな浴衣から、フォーマルの場で着用される高価で高品質な振袖まで、現代もなお、日本人はさまざまな素材の着物を楽しむ。

着物の歴史

着物の歴史

着物は日本の伝統衣装だが、その起源は中国とされている。現代にも残る形の着物は最初期には下着の一種として着用されていたが、室町時代(1392-1573年)になるとさらに広く普及。特に女性は袴(日本の伝統服のズボン)を着用しなくなり、「帯」を締めて着るスタイルが定着した。

江戸時代(1603-1867年)になると、着物文化はさらに発展。現代にも残るさまざまな色や織物、スタイルの着物が登場する。帯の幅が広く、袖が長くなったのもこの時代だ。現代では主に女性や少女が着物を好んで着用するが、もちろん男性が着ることもある。

着物を着る際の必需品

着物を着る際の必需品

着物はそれ単体で着ることができない衣類。そのため、以下に記したようなさまざまな小物を知っておく必要がある。
着物:メインとなる衣服。素材は綿、麻、ウール、絹などさまざま。
帯:着物の上から、腰のまわりに巻く、細長い布。さまざまな装飾的な手法で結ぶ。
襦袢:着物専用の下着。
腰紐:着物を体に固定するベルトのようなもの。
伊達締め:帯の形が崩れるのを防ぐために、帯の下に巻くベルト。
足袋:日本の伝統履物用の靴下。つま先が2つに割れているのが特徴。
下駄・草履:着物に合わせる伝統履物。形はサンダルに似ている。

着物の種類

着物の種類

振袖:未婚女性や若い少女が着る着物。長い袖が特徴で、明るい色合いのものが多い。「成人の日」に着る定番の着物でもある。

留袖:既婚女性が正式な場で着る着物で、裾に柄があしらわれているのが特徴。結婚式では新郎新婦の母親や親戚が黒留袖を着るのが習わしで、未婚女性用に色留袖もある。

訪問着:直訳すると「訪問の際に着る着物」で、年齢や未婚・既婚問わず着ることができる。肩から裾にかけて続き柄が入っているのが特徴。結婚式や茶会などに着用できる。

浴衣:夏祭りなどでよく着用される薄い生地の着物。男性用・女性用ともにあるが、一般に男性用浴衣は女性のものに比べて色彩が地味なものが多い。

小紋:カジュアルな着物の一種で、繰り返しの模様が入っているものが多い。洋服が定着するまでは一般的な日常着として着られていた。

色無地:既婚・未婚問わず着用できる無地の着物。色は白や黒を除いてさまざまだが、控えめな色調のものが多い。紋の入った色無地もあり、紋の数は多いほど格が高くなる。シンプルかつ洗練された着物だ。

着物の着付け方

着物の着付け方

着物を着付ける際には、正しい順序がある。

着物を着る前に、まずは襦袢と足袋を身に付けよう。続いて着物の背中の縫い目を、背骨の中心に合わせて羽織る。そして着物の右身頃を左側に持ってきて、体をしっかりと包む。次に左身頃を右側に持ってくると、着物が重なった形になるはず。
裾は足首が少し見えるくらいの長さに調節すること。着物は余裕のある長さの生地でできているため、身長や体型に合わせて長さを調節するのがポイントだ。ウエストあたりで余分な生地を折り曲げたら、その下に前から腰紐を通し、背中でクロスして再び前に持ってきて結ぶ。腰紐を結んだら、その上の生地をまっすぐに整えよう。続いて腰周りに伊達締めを巻き、正面で結ぶ。ちなみに最近は、簡易的なマジックテープ式の伊達締めもある。

以上が済んだら、いよいよ帯を結ぶステップだ。帯をお腹の周りで巻いたら、余った布を折りたたんで好みの形に結び目を作る。なお、結び目を作る工程は非常に複雑だが、最近はあらかじめ形が作られた帯も売られていて便利だ。

着物をきちんと着付けることができたら、帯揚げや帯締めといった帯周りを飾るオプションを付けてもいいだろう。最後は履物だが、これも着用する着物によってカジュアルやフォーマルの選択肢がある。着物によく似合う伝統的なアップヘアも見逃せないポイントだ。

着物の着付けは難しすぎる! と思ったあなた、ご心配なく。日本人でも自分1人では着物を着付けられないという人は多い。幸い、着物のレンタルショップにはプロの着付け師がいて、完璧に着付けをしてくれる。日本に来たら、ぜひ着物に挑戦しよう!

※記事掲載時の情報です。

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