失敗しない日本酒バーの楽しみ方・詳細解説

失敗しない日本酒バーの楽しみ方・詳細解説

Update: 2017/02/24

前編では日本酒について、そしてそれを気軽に試すことができる日本酒バーの概要について解説した。それでは実際に日本酒バーに足を運んでみよう。後編では具体的なシステムやエチケット、より楽しく日本酒を味わうためのオーダーのフレーズ集を紹介する。

システムと料金

システムと料金

日本酒バーは名の通り主に日本酒を扱っている。なかには日本酒しかなくビールやソフトドリンクのない店もある。

・料金システムについて
日本酒バーに限らず日本の飲食店では「お通し代」とよばれるカバーチャージがつくところが多い。カバーチャージは席にかかる料金であり、「お通し」という店のフードメニューとは異なる少量の食べ物がつく。これに加えて日本酒の料金や食べ物の料金がかかる。
気軽に日本酒を楽しんでもらおうと、カバーチャージなしで一杯あたりの値段が均一の店や、定額制で飲み放題の店もある。

・食べ物について
日本酒は食べ物との相性を楽しむ飲み物でもある。店によってしっかりと食事ができるところ、シンプルな「おつまみ」(酒にあてがうのに適した少量の食べ物)のみを扱うところがある。席は、立ち飲みの店と着席の店がある。シチュエーションにあわせて選びたい。

・予算
サッと飲んで店を出る場合は一人あたり1000円以下から、高級店であれば1万円近いところもある。
大体が予約なしでふらりと立ち寄れるが、人気店の中には満席で入店できない場合もある。
事前にメニュー内容や予約方法について調べておくとよいだろう。

日本酒を飲む際のエチケット

日本酒を飲む際のエチケット

まず、香水や匂いの強いクリームをつけて入店するのは避けたい。日本酒の繊細な香りを楽しむ邪魔になり、店や他の客へのエチケット違反となる。なお、日本酒バーには禁煙の店が多い。
入店すると客一人あたり一杯の水が提供される。これはチェイサーであり、酔いを緩めるために役立つ。日本酒を飲む際は進んで水を飲むようにしよう。
また、日本酒はアルコール度数がワインよりやや高い。アルコールはお腹の中で温まった後で吸収されていく。冷酒でさわやかな風味のものはつい杯が進んでしまうが、遅れて酔いが廻るため、ハイペースで飲むと後で急に具合が悪くなる恐れもある。貴重な日本酒体験で悪酔いしてしまってはもったいない。お店に次の一杯を進められても自分のペースを考えて決めよう。さまざまな種類を少しずつテイスティングできるよう、一杯あたりの量を少なくしてくれる店もある。

多くの店では写真撮影OK、SNSでのアップロードOKだが、まれに雰囲気を壊さないために撮影NGのところもある。酒瓶の写真を撮りたい場合は、一言断ればサッと片付けられずに済むだろう。(お店の人が日本酒の管理をきちんとしようと、すみやかに冷蔵庫にしまう場合がある。)
お店によってにぎやかにワイワイ飲む、静かに日本酒を味わうなど、雰囲気はさまざまである。ひとりでくつろいで飲みたい女性客もいるので、むやみに話しかけるのはご法度だ。
お店のコンセプトを尊重し、日本酒の造り手に感謝する気持ちをもって楽しみたい。

オーダーのコツ

オーダーのコツ

美味しく日本酒を楽しむコツとしては、最初の一杯におすすめのものを提供してもらい、お店の人にその感想を伝え、次の一杯を選んでもらうとよい。飲む前にお店の人に「今日はこの店で何杯飲む」と、めどを伝えれば流れが作りやすい。
もし日本酒を飲んだことがあり、好みを把握している場合はそれを伝えてもよい。好きな銘柄の写真を見せて、これに風味が似ているものを、とオーダーすれば提案してくれるだろう。店に有名な銘柄、以前飲んだことのある銘柄が置いていないかもしれない。しかし、それが未知の日本酒との出会いにつながるのだ。

オーダーのヒントとなるキーワード

オーダーのヒントとなるキーワード

日本酒の味わいを表現するキーワード
・香りの強さ:香りがある/香りが穏やか
・飲んだ感じの重さ:軽い/どっしりした
・華やか(フルーツの香り/花のような香り)
・ドライ
・甘い
・米の味、うまみ
・喉越しがスムース
・コクのある飲み口
・発泡感のある
・フレッシュな
・味の濃い
・スパイシー
・アタックの強い
これだけのワードが挙げられるほど、日本酒の風味は多種多様である!

最初の一杯をオーダーする時のキーワード
・最初の一杯にお勧めのものを
・いままで日本酒を飲んだことがないが、お勧めのものを
・連れと同じ種類/違う種類のものを

次の一杯をオーダーする時のキーワード
・次も、これに似た味を
・次は、もっと軽い/重い/甘い/ドライなものを
・思いきり趣向を変えたものを
・冷たい酒/常温の酒/お燗した酒を
・この食べ物にマッチしたものを
・お店の人にとって最後の一杯に飲んで欲しいものを
・ラベルの面白いものを(アニメ風のイラストなど、印象重視でユニークなラベルのもの)

すべての日本酒バーのスタッフが外国語に堪能なわけではない。
そのために接客が無口になったり、怒っているように思われることもあるかも知れないが、悪く思わないで欲しい。彼らは日本国外から日本酒を飲みに来る客が増えていることを認識しており、日本酒の良さを伝えたいという情熱がある。日本酒への興味をストレートに伝えれば快く受け入れてくれるはずだ。日本酒の画像や、上記に述べたような簡単なキーワードでコミュニケーションを図ることができる。

日本酒バーの利用客の多くは感性のアンテナが高く、日本酒の多様性を前向きに受け入れている。そして日本酒への愛情が強く、それを他人とシェアしたがっている。あなたの日本酒バー体験が、あなたとその場にいる人にとって「日本酒の輪」を広げる一歩になるかもしれない。その「日本酒の輪」は米農家、日本酒の造り手、販売者、提供者、消費者とでつながっており、文化・伝統を続ける原動力になるのだ。

ライター:みどりかわ えみこ

※記事掲載時の情報です。

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