HOME 日本の警報にはどんな種類がある? 英語、中国語、韓国語でも使えるフレーズまとめ
日本の警報にはどんな種類がある? 英語、中国語、韓国語でも使えるフレーズまとめ

日本の警報にはどんな種類がある? 英語、中国語、韓国語でも使えるフレーズまとめ

更新日: 2020/04/10

2019年上半期の訪日外国人観光客数は過去最高と発表(日本政府観光局(JNTO)による)された一方、世界有数の災害大国といわれている日本。外国人のみなさんが旅行中に災害が起こったら、どのように避難すればいいのでしょうか。

「そもそも警報にはどんな種類があるの?」「避難誘導時、パニックに陥らないためにはどうすればいいのかわからない」という方も多いでしょう。

そこで今回は、そんな災害が起こったとき、どのように誘導してもらえるのか、また知っておくと安心な避難時の事前準備について解説します。

警報の種類

日本の公的機関は災害による被害を最小化する目的で、該当地区の住民に向けて避難等の準備や行動を促す警報を行います。警報の種類は大きく以下の7つに分けられます。

1:気象に関する情報(気象警報・注意報、気象情報(全般・地方・府県)、台風情報、記録的短時間大雨情報、竜巻注意情報)

2:水害・水防に関する情報(指定河川洪水予報、水位情報(水位周知指定河川)、水防警報)

3:土砂災害に関する情報(土砂災害警戒情報)

4:地震・津波災害に関する情報(緊急地震速報、地震情報、津波警報・注意報、津波情報・津波予報)

5:火山災害に関する情報(噴火警報・予報、噴火警報レベル)

6:海洋災害に関する情報(開場警報)

7:原子力災害に関する情報(原子力緊急事態宣言)

日本は地震の多い国です。地震のない国からくる訪日外国人の方は、初めての地震に恐怖を感じてしまうかもしれません。そのような方もこれらの警報の内容を確認したうえで、公的機関の指示に従うようにしましょう。

避難誘導で使われるフレーズまとめ~日本語・外国語比較表~

避難誘導で使われるフレーズまとめ~日本語・外国語比較表~

避難誘導時には迅速かつ適切に避難を行うことを目的に使われる日本語フレーズがあります。これらのフレーズを事前に把握しておくことで、被害を最小限に抑える可能性が増加します。

ここではそんな避難誘導時によく使われるフレーズについて、平成30年3月に消防庁予防課が公表した「外国人来訪者等が利用する施設における避難誘導のあり方等に関する検討部会」に記載している「火災・地震発生時の「やさしい日本語」9の基本フレーズ」を日本語と英語、中国語簡体字で紹介します。

日本語
「○○(場所)で火事です。」
英語
「A fire has started ○○」
中国語
「○○方是火灾」
日本語
「○○(行動・場所)は危険(あぶない)です。」
英語
「○○ is dangerous」
中国語
「○○危险」
日本語
「今の場所にいてください。」
英語
「Please be in the present place」
中国語
「请在现在的地方」
日本語
「エレベーターは使うことができません」
英語
「I cannot use the elevator」
中国語
「不能用电梯」
日本語
「逃げるときはお知らせします。」
英語
「When I escape, I inform it」
中国語
「在逃掉的时候,通知」
日本語
「今すぐ逃げてください。」
英語
「Please escape right now」
中国語
「现在马上请逃掉」
日本語
「私の後について来てください。」
英語
「Please come after me」
中国語
「请我以后跟来」
日本語
「この建物は安全です。」
英語
「This building is safe」
中国語
「这座建筑物安全」
日本語
「すぐに係の人が来ます。」
英語
「A person in charge comes immediately」
中国語
「立刻负责人来」

日本では、災害時は簡易な表現を使用することが大切とされています。なぜなら、母語による翻訳で詳しい解説をしなくても意図を端的に伝えられるからです。また避難誘導員がそれぞれのフレーズと共に行う身振り手振りをチェックすることで、話す内容を完全に理解できなかったとしても伝達しようとしている意図を理解することができます。

今回、紹介したものは施設内での避難誘導が想定されていますが、施設外で使用されるフレーズもあります。短いフレーズが多いので、事前に理解しておくことをおすすめします。

知っておくと安心~避難場所や救護所を表す標識(ピクトラム)~

知っておくと安心~避難場所や救護所を表す標識(ピクトラム)~

避難をスムーズに行うためには、前項で紹介したフレーズを知っておく方法以外に、標識(ピクトグラム)についても理解しておく必要があります。

標識(ピクトグラム)とは避難場所や救護所についてイラストでわかりやすく表記したものです。日本語がわからない方でも直感的に理解して迅速かつ適切な避難を行うことができます。

ピクトグラムについては「一般社団法人日本標識工業会」の「災害種別避難誘導標識システム 防災標識ガイドブック」にて詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

また、一般財団法人自治体国際化協会の「災害時用ピクトグラム検索」を分類、フリーワードで検索ができ、英語翻訳も確認できます。

被災でパニックに陥らないために必要な事前準備

被災でパニックに陥らないために必要な事前準備

被災でパニックに陥らないためには事前に準備しておくことが大切です。事前に準備をしておくことで、被災したときにまず、なにをすればよいのかが明瞭になるからです。事前に準備しておく具体的なことは以下になります。

・宿泊施設の最寄りの避難場所及び経路の確認
宿泊施設の最寄りの避難場所及び経路の確認を行うようにしましょう。あらかじめ確認をしておくことにより、被災したときにどこに向かえばいいのかが明確になります。

また避難場所に向かうときにはなるべく徒歩で向かうようにしましょう。実際に被災したときには電車や車が使用できない可能性があり、避難場所へは歩いていかざるを得ない可能性があるためです。

・被災したときのために家族、友人と連絡手段の確認
被災したときのために家族、友人と連絡手段を確認するようにしましょう。ただし、被災時は中継光ケーブルの切断や基地局の停電といったインフラ面の不具合により電話が通じづらくなる懸念があります。そのため、電話以外の連絡手段も確認するようにしましょう。電話以外の有効な連絡手段として、「00000JAPAN (ファイブゼロジャパン)」という災害時に公衆無線LANを無料で利用できるサービスがおすすめです。

「00000JAPAN (ファイブゼロジャパン)」は「東日本大震災」の教訓から日本国民の防災・減災への寄与及び訪日外国人旅行者の災害時における利便性・安全性確保等に繋がることを目的にしているものです。一時的に訪日している外国人旅行者にとっては、キャリアが必要になる電話回線よりもwifiの方が災害時に適しているでしょう。

また総務省では災害時に「災害用伝言サービス」「メール」を活用することを推奨しています。災害用伝言サービスとは被災地の方が加入電話や公衆電話などから自宅の電話番号宛に安否情報(伝言)を音声で録音(登録)し、全国から伝言を確認できるものです。

その他には「インターネット電話」「050IP電話」「SNS」などは、東日本大震災のときでも比較的、つながりやすかったこともあったため、このような手段の活用方法もチェックしておきましょう。

・防災グッズを事前に準備しておく

観光目的で来訪する場合、防災グッズを事前に準備しておくことは困難かもしれません。そのため、カバンやリュックなどに常備品として「水(ペットボトル)」「ティッシュ」「スマートフォンの充電器」などの防災時に役立つものを持ち歩くことをおすすめします。女性の場合は「生理用品」「ヘアゴム」などが被災時には重宝されるため、先述したものに合わせて持つようにするとよいでしょう。

観光目的で日本に来たあなたにとって、見知らぬ土地で災害が起こったときの対応は母国で被災したとき以上に困難だと思います。言葉も文化も異なる環境下では、パニックに陥ってしまうかもしれません。しかし、そのようななかでも災害に直面したときには、迅速かつ適切な対応を行うことが、命を守ることにつながります。

昨今の日本では全国各地で地震が相次いでおり連日、テレビニュースでは地震速報が報道されています。そのため、わずかな期間を日本で過ごす予定でも災害に備える必要があるのではないでしょうか。

Written by:

株式会社ダリコーポレーション 佐藤 祐(さとう ゆう)

株式会社ダリコーポレーション 佐藤 祐(さとう ゆう)

人事・労務・法務・キャリアジャンルなどの硬めのジャンルを中心に手がけているライター。コラム記事をメインに作成している。

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