現代日本の習慣に見え隠れする仏教

現代日本の習慣に見え隠れする仏教

Update: 2016/12/09

ほとんどの日本人は特定の宗教を信仰していないと言う。しかし日本人の習慣や行事に、日本古来の宗教である神道や仏教が深く根ざしていることも事実だ。今回は日本人の生活の一部ともなっている、宗教由来の伝統や祭事を紹介しよう。

新年の祝賀

新年の祝賀

町の中心部から人里離れた山の奥まで、日本全国には75000を超える寺社が存在し、特定の行事ともなると多くの人々が集まる。最も重要な行事は正月。またそのしきたりは、極めて仏教的でもある。大晦日には僧侶が鳴らす除夜の鐘には、人間の罪を浄化する意味がある。また鐘を108回打ち鳴らすのは、すべての人間は108個の煩悩に縛られているという考えからだ。1月1日には前の年に犯した過ちを熟考し、よりよい人生への解決へと導く「修正会」と呼ばれる行事が行われる。熟考によって解決を導き出すのは、仏教の基本理念でもある。

大豆のパワーで悪霊退散!

大豆のパワーで悪霊退散!

年の初めといえば、2月に、日本の家庭で行われる行事「節分」というものがある。節分には「季節の節目」という意味があり、洗心と浄化を目的として行われる。またその日は悪鬼や悪霊を家から追い払うために、煎った大豆を撒く。

先祖を迎えるお盆

先祖を迎えるお盆

お盆は夏に行われる行事のひとつ。夏の夜には数々の提灯の下で踊る、盆踊りという祭りが催されるが、これも仏教を由来とする行事だ。お盆は先祖の魂が帰ってくる行事で、通常3日間にわたって行われる。またその日には魂が迷わないように家の前に盆提灯を吊り下げるのがならわしだ。盆踊りにもまた、先祖の魂を祀る大切な意味合いがある。そしてお盆の最終日には先祖の魂を再びあの世へ導くために、川へ海へ灯篭を流す「灯籠流し」という行事が行われる。このように灯篭や提灯と深い関連があるため、お盆は「ランタンフェスティバル」と訳されることも多い。

お守りになった達磨大師

お守りになった達磨大師

現代日本において最も身近な仏教の精神的肖像の一つに、「達磨」と呼ばれる人形がある。この丸い目を見開いた人形は、禅宗の開祖である菩提達磨の姿を模したもので、幸運のシンボルとして新年に購入されることが多い。達磨には悟りを開くために、洞窟の入り口に向かって9年もの間、瞑想していたという伝説が残っている。こうした長期にわたる苦行によって、達磨は手脚を失ったとされている。そのため達磨人形もまた、丸い胴体のみの形をしている。また達磨には、眠るのを防ぐためにまぶたを摘み捨てたという伝説もある。そのまぶたを捨てた場所から生えた茶の木が、中国の茶文化のルーツとなったとされている。

ポップカルチャーの中の仏教

ポップカルチャーの中の仏教

日本の映画やテレビ番組、ゲームには仏教の教えや設定、造形物などがモチーフとして多く取り入れられている。特に人生を描いた映画やアニメには、地蔵や達磨といった仏教のシンボルがさまざまな形で登場する。さらにカルマや瞑想、蘇生、六道といった深遠な思想をテーマにした映画やアニメも多い。

現代社会に息づく伝統と慣習

現代社会に息づく伝統と慣習

現代社会に息づく古い慣習や伝統をふと見かけると、旅もより印象深いものとなる。大きな寺社や仏塔のような荘厳な宗教建築物から、道端にひっそり佇む地蔵まで、ユニークな日本の一面を垣間見る旅もきっと楽しいはずだ。

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