板チョコから生まれた文房具とは!?日本発祥のオフィス文房具5選

板チョコから生まれた文房具とは!?日本発祥のオフィス文房具5選

Update: 2017/06/21

日本は“文房具大国”!高品質、高機能、多彩なデザイン、それでいてリーズナブル。海外でほかに類を見ないほど、日本の文房具のクオリティは世界中に評価されているのです。

文房具自体は海外発祥のものが多いのですが、利便性とデザイン性を追求して日本人が進化させた文房具が多数存在。それは“文房具大国”の所以といえます。そこで今回は、数ある「海外ルーツだけど日本で生まれた文房具」の中から、オフィスでよく使われる文房具を5つピックアップ!

シャーペン、マスキングテープ、水性マーカーなど、意外な歴史や誕生秘話の数々に、日本人の発想力が再確認できるかも?

1.「シャープペンシル」はあの有名企業が改良!

1.「シャープペンシル」はあの有名企業が改良!

シャープペンシル(シャーペン)の元祖は、1822年に英国のホーキンスとモーダンが共同で特許を得た繰り出し鉛筆です。

これが日本に輸入されたのは、1877年前後のこと。そして1915年、早川金属工業により金属製の内部機構が大幅に改良され、日本独自の繰り出し式鉛筆「早川式繰出鉛筆(プロペリングペンシル)」が生み出されました。

その後、さらに細い芯を使えるよう再改良。「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と改名されました。これを発明したのは、現在の家電メーカー「シャープ」の創業者である早川徳次氏です。

この時から昭和30年代まで、シャーペンの構造は繰り出し式でした。しかし、ある時期を境に突如シャーペンの主流はノック式へと移り変わっています。不思議なことにノック式の発明者や正確な時期などは資料に残っていません。

1960年(昭和35年)頃に「国産メーカーによってノック式が開発された」という逸話は伝わっていますが、具体的な社名は不明。その後、各社から発売されているようなので、特許が取られていない可能性も大ですね。

シャーペンは、シャープ創業者により改良され、名も知られぬ日本人により、さらに発展を遂げたというわけです。

2. 町工場の偶然から生まれた「プラスチック消しゴム」

2. 町工場の偶然から生まれた「プラスチック消しゴム」

1770年、イギリスの化学者ジョゼフ・プリーストリーが天然ゴムで鉛筆の字が消せることを発見。その2年後、イギリスで世界初の「消しゴム」が販売されました。

日本に消しゴムの文化がやってきたのは、明治時代のこと。1886年に、東京の町工場で製造が始まりました。

しかし品質の良いものが作れず試行錯誤していたある時、塩化ビニールを研究していた技術者が、消しゴムが見当たらず、そばにあった塩化ビニールの切れはじを代わりに使ってみたそうです。

すると偶然にも、それが天然ゴムの消しゴムよりもよく消えることを発見。その話を聞いたさまざまな会社が、塩化ビニールで消しゴムを作る研究を重ねていきました。

結果、その中の一社であったシードゴム工業株式会社(現在の株式会社シード)が、軟質塩化ビニール樹脂が鉛筆の文字を消す効果を高めることに成功し、その製法特許を取得しました。そしてついに昭和30年代に、プラスチック消しゴムが誕生したのです。

プラスチック消しゴムの威力は瞬く間に世界中を席巻しました。東京の町工場での偶然が生んだといっても過言ではない発明品。偶然がなければ、今でも天然ゴムの消しゴムしか存在していなかったのかも!?

3.板チョコを参考?「カッターナイフ」

3.板チョコを参考?「カッターナイフ」

オフィス用品として欠かせないカッターナイフは、完全なる日本人オリジナル発想の商品。

オルファ株式会社の創業者・岡田良男氏が、刃先をポキポキ折ることで最後まで切れ味を持続させる方式を考案しました。この発明は、昭和30年代に岡田氏が印刷会社で働いていた際「紙が切れやすく長持ちするナイフが欲しい」と考えたことがきっかけだったといいます。

昔の紙職人がガラスの破片で紙を切っていたこと、そして進駐軍にもらった板チョコのパキパキとした割れやすさ、これを組み合わせて生み出されたのが昭和31年に完成した折る刃式カッターナイフの試作品でした。

しかし、当時このアイデアを採用してくれる会社はまったく無く、岡田氏は自ら会社を興して販売を開始。カッターナイフは国内で徐々に評判を高めていき、次第に海外にも広まったといいます。

ちなみに、現在でも替刃のサイズ・折れ線の角度は、オルファの商品が世界の標準とされています。カッターナイフはまさに、日本人の発想がフルに生かされた文房具といえるでしょう。

4. 「マスキングテープ」は和紙製で世界的に広まった

4. 「マスキングテープ」は和紙製で世界的に広まった

マスキングテープは、塗装の時にそれらがはみ出して作業の場所以外を汚さないようにするために貼る、保護用の粘着テープとして、世界的電気素材メーカー・3Mのリチャード・ドリューによって発明されました。

しかし、この製法を大きく変えてしまったのが日本。1938年に日本粘着テープ工業株式会社(現在は寺岡製作所)が、塗装用火薬包装用として和紙製のマスキングテープの製造を開始したのです。

粘着力が低めではがしやすい上に、薄くて丈夫な和紙製のマスキングテープは爆発的にヒット。これ以降マスキングテープは世界的にも和紙で作られるのが主流となっています。

現在では、かわいい色調のものが売り出されるなど「雑貨」として捉え直されているマスキングテープ。和紙ならではの温かくて柔らかい色はアートにも多用され、日本の「カワイイ」文化とともに、新たな文房具の側面を世界中に発信しています。

5. 大統領のお気に入り!「水性マーカー」はアメリカで評価

5. 大統領のお気に入り!「水性マーカー」はアメリカで評価

油性マーカーはアメリカ生まれですが、水性マーカーはなんと日本製なんです!第二次世界大戦中のアメリカで油性マーカーは製造され、日本では1953年に発売開始となりました。

油性マーカーはガラスや金属に書けるという特長を持ち、日本でも広く普及したのですが、紙に書くと字が滲み、裏移りしてしまう欠点がありました。これを克服したのが、1963年に発売された、ぺんてる株式会社開発の水性インクを用いた「ぺんてるサインペン」です。

しかし、発売当初の日本での売れ行きは悪く、起死回生を狙ってシカゴの文具国際見本市にサインペンを出展。この時に当時のアメリカ合衆国大統領リンドン・ジョンソンがサインペンの存在を知り、一気に24ダース(288本)も注文したのだとか。

すると、「大統領のお気に入り」としてアメリカのメディアに報道され、全米から注文殺到。その勢いのまま日本でも広く知られることとなりました。

ちなみに「サインペン」はぺんてるの商標登録商品ですが、すでに一般名詞化しており、現在では多数の筆記具メーカーからサインペンの名で水性マーカーが発売されています。

いかがでしたか? 全世界における文房具の発展には、日本人の感性が不可欠だったことがよくわかりますよね。デジタルツールが普及した現在でも世界中で愛され続けている文房具。これからもアイデア満載の商品がまずます増えていくことに期待します!

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もちづき千代子

もちづき千代子

1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。ツイッターは@kyan__tamaで探してみるべし。

※記事掲載時の情報です。

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